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神社やお寺の維持を支えているキヤノンS&S。地域の「宝」を未来へつなぐ映像ソリューションとは?

2026年7月23日

こんなところにキヤノンMJ

日本各地に存在する、大小さまざまな神社やお寺。長い歴史の中で受け継がれてきた建物や文化財は、地域の人々にとって大切な「宝」でもあります。

しかし昨今、多くの神社仏閣が盗難や火災といった文化財の毀損(きそん)や流出リスク、さらには管理者の高齢化や人手不足など、時代の変化に伴う多様な課題に直面しています。

実はその解決を「映像ソリューション」で支えているのが、キヤノンシステムアンドサポート(以下、キヤノンS&S)なんです。

同社で映像ソリューションの提案からアフターフォローまで伴走支援を行うエキスパートエンジニアの森 祐介さん、徳光 宏樹さんに、日本の伝統文化を守るキヤノンS&Sの取り組みについて聞きました。

落書き、盗難、火災など、神社やお寺が直面する防犯・防災の課題

キヤノンシステムアンドサポート バリューアドサービス本部 森 祐介

―近年、神社やお寺では防犯・防災へのニーズが高まっていると聞きます。その背景には、どのような課題があるのでしょうか。

森:神社やお寺といえば、いつでも自由に参拝できる「開かれた場所」というイメージがありますよね。実は、誰もがいつでも立ち入れる環境だからこそ、常に多くのリスクと隣り合わせなのです。

特にここ数年は、全国の神社仏閣で落書きや盗難といった被害が相次ぎ、現場の危機感が急速に高まっています。さらに、歴史ある建造物の多くは木造のため、ひとたび火災が起きれば取り返しのつかない事態になりかねず、徹底した防災体制も欠かせません。

インバウンドの急増によって神社仏閣を訪れる人が増えていることも安全対策の重要性が高まっている要因の一つです。日本の歴史や文化に興味を持って訪れてくださる一方で、習慣やマナーの違いから、意図せず文化財を傷つけてしまうケースもあります。

神社やお寺ならではの開放性を大切にしながら、貴重な文化財や建物をいかに守り抜くかが大きな課題となっています。

キヤノンシステムアンドサポート バリューアドサービス本部 徳光 宏樹

―管理をされる方々の負担もかなり大きくなりそうですね…。

徳光:そうなんです。ご家族だけで運営されているところも多く、見回りを増やすといった「人力」だけの対応は限界を迎えつつあります。

だからこそ、近年は若い世代の神職や僧侶の方々を中心に、テクノロジーを活用して、現場の負担を減らしながら防犯・防災対策を強化していこう、という意識が高まっています。

―人力に代わる手段として、どのような対策がとられているのですか。

森:従来は、防犯カメラや赤外線センサーなどを設置するケースが多く見られました。ただ、これらの設備には意外な落とし穴があります。

例えば、防犯カメラだと、画像の解像度によって肝心なところが見えにくかったり、死角が多かったりして、いざというときの見落としリスクも少なくありません。

また、赤外線センサーだと、野良猫などの小動物が横切ったり、風で木の枝が揺れたりしただけでアラートが鳴る「誤検知」も起こりやすい。夜中にアラートが鳴るたびに、ご家族の誰かが現地まで確認しに行かなければならず、結局手間や負担が増えてしまうんです。

私たちキヤノンS&Sは、こうしたセキュリティ設備面の悩みを抱える神社仏閣に寄り添い、課題解決を支援しています。

課題や環境に合わせて、最適な防犯・防災システムを実現

―課題解決に向け、どのような支援を行っているのですか。

森:私たちは、映像システムの計画策定から、選定、導入、運用、保守まで一貫して支援する「まかせてIT 映像ソリューション」で、個々の神社仏閣の悩みに合わせた課題解決に伴走しています。

具体的には、ネットワークカメラと高機能なビデオ管理ソフトを中心に据えつつ、多彩なハードウエアやIoT機器、専用アプリを自在に組み合わせることで、個々の現場に最適化された防犯・防災インフラの構築を可能にしています。

一般的な防犯カメラや赤外線センサーとは違うのですか。

森:AI機能を搭載したネットワークカメラは、「人」だけを検知対象にすることで、従来の赤外線センサーで発生していた動植物や天候による誤検知を大幅に減らすことができます。

また、異常を検知した際に、スピーカーから音声を流したり、警告灯を光らせたりするなど、管理者の方が現地に赴かなくても自動で注意喚起できる仕組みをご提案することも可能です。

徳光:スマートフォンでリアルタイムの映像を確認できるのも大きな強みですね。いつでも、どこからでも現地の状況が分かるため、管理者の方々の身体的・心理的な負担を軽減しつつ、万が一の際にも迅速な初期対応につなげることができます。

しかし、映像に常時アクセスできる状態になるからこそ、漏洩などのリスクを見据えた情報セキュリティ面の対策も欠かせません。映像はお客さまの大切な資産であり、個人情報にも関わります。便利さだけでなく、安心して使っていただける仕組みを構築することを心がけています。

境内の防犯から地域の安全まで。映像ソリューションが支える神社の安心

―実際に、どのような神社仏閣でキヤノンS&Sのソリューションが活用されているのでしょうか。

森:大阪府堺市にある百舌鳥八幡宮様の事例をご紹介させてください。世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」のエリア内にあり、樹齢約800年の大楠や、秋の「月見祭」でも知られる歴史ある神社です。近年は海外からの観光客も増加しており、安全対策の強化が急務となっていました。

境内が非常に広いため、ご相談いただいた当時は、何か異常やトラブルがあるたびに先代の宮司様が防犯カメラを確認し、スクーターで境内を走り回っていたそうです。体力的な負担はもちろん、移動に時間がかかるため、初動が遅れてしまう懸念もありました。

さらに、警備会社のカメラシステム、他社製ネットワークカメラ、ご自身で設置されたアナログカメラなど、複数のシステムがバラバラに動いている状況でした。操作方法も録画時間も異なるため、「この映像は録画できているのか」「どのシステムを見ればいいのか」が分かりにくい状態だったのです。

―それらの課題に対して、どのように寄り添いながらサポートを進めたのでしょうか。

森:最初は試験的にカメラを数台導入していただき、それをきっかけに、現地へ足を運んでは「いま感じているお困りごとは何ですか?」と何度もお話をうかがいました。そうしたお悩みに対して少しずつカメラの増設を重ねていき、最終的にはそれまでバラバラだったさまざまな設備も含めて一つのシステムに統合しました。

現在は50台ものカメラ(左)が設置されており、すべての映像を社務所で一元管理できる(右)

また、境内につながる参道が近隣の小学校や幼稚園の通学路・通園路にもなっており、その防犯対策は地域の安全を守るうえでも重要でした。そこで、ネットワークカメラに加え、社務所から音声で「立ち入り禁止」など注意喚起できるスピーカーも組み込み、子どもたちの見守りに活用できる仕組みを導入しました。

参道沿いの電柱に取り付けられたネットワークカメラ。異常検知時に、画面左のスピーカーから音声で警報を発することができる

徳光:現在も、ご要望に合わせて柔軟に機能を追加しています。直近では、宮司様や職員の方々が境内にいらっしゃるときでも来訪者や参拝者への対応ができるよう、インターホンとシステムを連動させました。社務所から離れた場所にいても、お手持ちのスマートフォンで相手の顔を確認し、その場で通話できるようになっています。

宮司様には「これまで何かあるたびに境内を駆け回っていたのが、いまでは信じられないくらい便利になった」と、喜んでいただけました。エンジニアとしても、非常に大きなやりがいを感じる瞬間でしたね。

「ないものは作る」。お客さまのこだわりを形にするキヤノンS&Sの強み

―一般的な店舗やオフィスと比べて、神社仏閣ならではの導入の難しさはありますか。

森:歴史ある文化財の「保護」と「美観」の維持ですね。建物に傷をつけないようネジ一本打てないため、教育委員会や文化庁などに確認を取りつつ、宮大工さんに専用の木製台座を作ってもらってカメラを設置したり、古き良き景観を壊さないよう設置場所を工夫したりと、慎重な判断が求められます。 

徳光: 以前、鳥居にカメラを設置した際も、鳥居を挟み込むような専用部材を特注し、周囲と同じ朱色に塗装して馴染ませました。メーカー保証の関係でカメラ本体が塗れない場合でも、土台の色を合わせるなど、境内の厳かな雰囲気を守るための工夫をしています。

―ひと言で映像ソリューションの導入といっても、そうした細やかな調整が必要なのですね。改めて、キヤノンS&Sならではの強みは、どのようなところにあるとお考えですか。

森:ご提案から設計、導入、アフターサポートまで、エンジニアという役割を超えてワンストップで寄り添い、最適なソリューションを提供できる点だと感じています。

映像やシステムの技術に精通したメンバーが、直接お客さまと対話を重ねることで、本当に必要な解決策が見えてきます。例えば、先ほどの百舌鳥八幡宮様の参道が通学路になっていることも、実際に現地に赴き、お話をうかがうことで得られた気づきです。そこへ私たちのノウハウをかけ合わせることで、カメラとスピーカーを組み合わせるという一歩踏み込んだご提案ができました。

徳光:また、私たちは「ないからできない」ではなく、「ないものは作る」という姿勢を大切にしています。既存の製品だけでは解決できない課題に対し、社内のさまざまな技術やツールを組み合わせて新たな仕組みを構築し、お客さまの課題解決やこだわりの実現に貢献したいと考えています。

一般企業のようなIT部門を有しているケースが少ない神社仏閣だからこそ、私たちがその役割を丸ごと担い、日々のトラブル対応から新しいご相談まで、何でも気軽に頼っていただける存在でありたいと思っています。

―今後、映像ソリューションを通じて、神社仏閣業界にどのように貢献していきたいと考えていますか。

徳光:防犯・防災だけでなく、神社仏閣のDXを支える手段として、映像ソリューションの活用領域を広げたいです。例えば、お寺の技術継承のための映像保存や、遠方の檀家様に向けた行事・法要のライブ配信など、さまざまなアプローチを検討しています。

神職や僧侶の方々と連携を深めながら、この取り組みを全国に広げていきたいですね。

森: 以前、私たちの神社仏閣向けの取り組みを発信した際には、日本各地からお問い合わせをいただいたんです。規模を問わず多くの神社やお寺が同じ悩みを抱えているのだと実感しました。参拝者への対応や、地域の方々との交流など、皆さまが本来の業務により専念していただけるよう、お手伝いができればと思っています。

神社仏閣は、建物や文化財だけでなく、人々の想いや歴史を受け継ぐ場所でもあります。キヤノンS&Sの映像ソリューションを通じて、日本の伝統文化を守る方々を支え、次の世代へつなぐ土台づくりに貢献していきたいです。


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