東日本大震災 復興・創生に向けた取り組み

東北復興・創生推進室の取り組み
復興・創生のためにキヤノンにできること
キヤノンマーケティングジャパングループ(以下、キヤノンMJグループ)は、東日本大震災発生時に阪神・淡路大震災の教訓を活かし、「早く支援を開始しなければならない」「支援のアンマッチを起こしてはならない」という2つの想いから、従業員が現地に駐在して、困っている方々の正確な状況把握を始めました。2012年には仙台支店に東北復興支援室(現、東北復興・創生推進室)を設置し、さまざまな復興プロジェクトに取り組んできました。震災から14年目の2024年、これまでの取り組みを振り返り、私たちの存在意義や提供価値は、地域の「復興」「広報」「観光・産業」「教育」「伝承」の5つの領域に及ぶと考え、「被災地に寄り添い、キヤノンMJグループならではの技術を生かして、東北の復興・創生に貢献する」というミッションと、「全国に東北の美しさと文化をキヤノンの技術(映像・写真・ICT)で発信する」というビジョンを掲げました。被災沿岸部の自治体、大学などの学術機関、大手民間企業と連携し、時間とともに変化する地域の課題をとらえ、企業としてできることを考えながら長期的な支援活動を推進しています。今後も、キヤノンMJグループならではの技術を活かし、東北の復興・創生に貢献していきます。
横浜キヤノンイーグルス・ラグビー交流会の開催

横浜キヤノンイーグルスの選手をはじめ、育成担当で構成されたメンバーによるラグビー交流会を実施しております。2024年の交流会は岩手県宮古市・岩手県大船渡市で開催されました。小学生から高校生までの幅広い年代の子供たちに対して、ラグビーやタグラグビーの指導を行い親睦を深めました。ラグビー経験者には基本的な動作を指導したり、未経験の子供たちにはリフティングを体験いただくなど、交流会を通して子供たちの育成に貢献しています。
みんなの笑顔プロジェクトの実施

キヤノンMJグループは、2012年1月から、東日本大震災の被災三県に向けた復興・創生推進活動として、「写真を楽しもう」をコンセプトとした「みんなの笑顔プロジェクト~Smile for the Future~」を実施しています。みんなの笑顔プロジェクトを通して、人と人とのコミュニケーションづくりや、子どもたちの心を育むお手伝いを行っています。

2012年1月から2024年12月までトータル65回の開催となりました。2024年は宮城県、福島県、岩手県の各所で計18回を開催しました。環境保全活動や文化・歴史を学びながら写真を楽しめるプログラムとして、地域に貢献できる活動を行っています。
自治体広報担当者向け写真研修会の実施

宮城・岩手・福島の被災3県の県庁主催の自治体広報担当者向け写真研修会を支援しています。ご参加の県・自治体の方々からはご好評を賜っています。
各県のニーズを取り入れながら少しずつ進化した写真研修会を実施しています。
「ふるさとCM大賞」への協賛

宮城県・岩手県における「ふるさとCM大賞」に特別協賛しています。県下各自治体の代表チームが自身のまちをPRした「オリジナルCM」を制作して競い合います。ふるさとの良さを再認識したり、町おこしに一役買っています。
依頼のある自治体に対してはカメラ機材の貸し出し等の支援もしています。
文化財のレプリカを寄贈

気仙沼市に「気仙本吉御絵図」と呼ばれる仙台藩領内の本吉郡(宮城県気仙沼市、南三陸町等)の絵図レプリカを寄贈しました。また、気仙郡(岩手県陸前高田市、大船渡市、住田町等)の近世絵図レプリカを陸前高田市にも寄贈しました。本絵図は元禄11年(1698年)に製作され、嘉永3年(1850年)に再編されたもので、当時の街道、宿場、川、山、海岸部などが色鮮やかに描かれています。特に85カ所もの金山が黄金色で示されており、日本遺産「みちのくGOLD浪漫」にも掲載されています。
写真展の支援

「KESENNUMA街なかフォト」写真展では、東日本大震災前(2003年)、震災後(2011年)、現在(2024年)の気仙沼市の夜景写真展示による“電気の灯り”の移り変わりや、美しい風景、古くから伝わる文化財、伝統的な祭りなど、「人との繋がり」や気仙沼市の魅力を紹介しました。キヤノンMJグループは、この写真展で展示される写真やポスターを高精細プリンターで印刷協力しました。2024年4月25日に株式会社男山本店店舗前でオープニングセレモニーが行われ、ゴールデンウィークを含む5月24日までの約1カ月間、気仙沼市内の5カ所の企業を巡り、多くのお客さまが展示された写真を通じて気仙沼の魅力や歴史を感じることができる写真展となりました。
「減災教育研究助成基金」への寄付

東北大学 災害科学国際研究所では、「減災教育『結』プロジェクト」を実施しています。
このプロジェクトは、震災の経験を風化させず次世代へ語り継いでもらうことや、いざというときの対応力を高めることを目的としており、減災についての知識を深めるためのツールとして開発した「減災ハンカチ」を、小学生を対象に教材として活用した出前授業を展開しています。
2018年度ジャパン・レジリエンス・アワードにて金賞を受賞するなど、優れた減災教育として社会からも高く評価されており、キヤノンMJは2015年より毎年寄付を行い、東北復興に取り組む企業として貢献しています。
「主な協賛企業」として、キヤノンMJの企業名が教材に記されています。
「みちのく未来基金」への寄付
東日本大震災遺児に対する「大学および専門教育への進学」に焦点を当て、将来、東北の地、ひいては日本を支える人材育成に寄与することを目的に2011年10月に設立された「公益財団法人みちのく未来基金」に対し2014年より、毎年寄付を継続して行っていました。現在は基金予定額に到達したため寄付は終了いたしました。同基金は震災遺児(高校生)を対象に進学希望者に対し入学金・授業料の全額を給付しています。給付活動は継続して実施されています。
【みちのく未来基金について】
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給付金の返済は不要。人数制限はなく、事前にエントリーシートを提出する。
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一律の給付ではなく志望進学先に必要な入学金・授業料を給付。
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法人の運営費用には一切使用せず、寄付金全額を生徒の学費に充当。
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寄付金の使途および運営費用はホームページ上で公開。