スマートビルディングEXPO キヤノンマーケティングジャパンブース レポート
建築・土木・不動産の先端技術、ビル向けIoT、BEMSなどの最新技術が多数出展するスマートビルの専門展示会 「スマートビルディングEXPO」 に出展




2025年12月に開催された※「スマートビルディングEXPO」は、ゼネコン、サブコン、ビル管理会社、ビルオーナーが来場するスマートビルの専門展示会です。キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)は、2040年に労働供給が約1,100万人不足すると予測される中、【映像×AIで現場DXを加速。「8掛け社会」に備えたリモート革新】をコンセプトに、現場業務における省人化・効率化・安全性向上を支援する、スマートビルディング向けソリューションをご紹介しました。本リポートでは、会場で注目を集めた3つのデモンストレーションを中心に内容をご紹介します。
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「第10回 JAPAN BUILD TOKYO-建築・土木・不動産の先端技術展-」内の「第10回 スマートビルディングEXPO」に出展、10展示会合計で550社・団体が出展、33,618人が来場。
キヤノンMJが提供する現場DXソリューションで、「8掛け社会」に対応

建設・ビル管理・警備などの現場業務では人手不足が深刻化しており、「人が動いて成り立つ運用」を前提にした現場のままでは、「業務が回らない」「品質が維持できない」「技術継承が途切れる」といった構造的な課題が顕在化しています。
キヤノンMJでは、この課題解決に貢献するため、“人の目”に代わる高度な映像技術を軸に、「映像技術とAI解析、遠隔操作技術を組み合わせた最新のソリューション」を展示し、人手不足に悩む企業に対し、映像DXによる新たな価値を提供いたしました。
1. 受付:接客品質を保ちつつ、リモート接客
遠隔接客サービス 「RURA」は、対応品質と安心安全を確保しながら、省力化を実現する遠隔接客ソリューションです。顔が見える人の温もりと、拠点の安心安全への配慮を維持しながら、現場の効率化を支援します。今回の展示では、特にオフィスビルの受付に特化したデモンストレーションが注目を集めました。


「カードキーの受け渡し」も無人化。スマートなオフィス受付を実現!
遠隔接客・無人受付ソリューション: Canon × RURA
人手不足の折、複数施設や拠点を持つ企業では、全ての受付に人員を配置することは困難です。そこで、タイムリープ社の遠隔接客サービス「RURA」により、複数拠点で行われる一連の業務を、少数のスタッフが遠隔から実施可能にし、受付対応の大幅な効率化を実現します。さらに、ビル内に設置された複数のカメラ映像をクラウド型映像プラットフォーム「VisualStage Type-S/Pro」に集約させ「RURA」と連携することで、オペレーターは来訪者の行動やビル内の各箇所の状況を俯瞰的に把握して対応できるようになります。
今回の展示で特に注目されたのが、オフィスビル特有の課題解決です。受付業務には、お手洗いの場所案内や配送業者への対応など、必ずしも対面でのご案内や、会話のフォローを伴う必要がない業務が多く含まれています。本ソリューションでは、これらを「セルフ対応」と「遠隔接客」に切り分け、来訪者が画面操作で自己解決できる範囲を拡大。アポイントのある来客など、セキュリティの観点で人による確認や丁寧な対応が必要な場面にのみ遠隔スタッフが画面越しに応対します。
さらに、本人確認から入館証(カードキー)等の貸与までを、その場に人がいなくても完結させる仕組みも披露しました。カメラ越しに来訪者の身分証や名刺を確認し、遠隔操作でカードキーを格納した鍵ボックスを開錠することで、遠隔からでも安全な貸与を実現。また、メモ機能を利用して来客記録を残すことで、紙の台帳記入も不要になります。自社ビルでの実証実験を経て磨き上げられたこのシステムは、受付業務の強力な省人化対策として、導入の加速が期待されています。








2. 警備:AIカメラによる自動化でリモート警備、さらにロボットの連携も・・・
AIカメラの「AXIS Object Analytics」が侵入を自動検知し、ストロボサイレンで注意喚起。ロボット遠隔操作で現場対応を省力化し、ビル警備の安全性と効率化を支援します。


AI カメラとロボットのバディで、一次対応をリモート化!?
AI・ロボット連携による 安心安全な 警備・点検ソリューションに向けて: Canon × AXIS × ugo
警備業界では高齢化と人手不足が深刻で、広大な施設での巡回・点検業務を人力のみでカバーしきれないことが課題です。
今回の展示では、AXIS社のAIカメラを使った映像解析技術「AXIS Object Analytics」により、あらかじめ設定した進入禁止エリアへの立ち入りを自動判別し、侵入者や誤って立ち入った来訪者を検知すると、ストロボサイレンで自動的に注意喚起を行うデモンストレーションを行いました。これにより、警備員が現場に向かう必要がなく、侵入者への警告と、来訪者の誤侵入抑止が可能となります。
また、映像解析技術の進化により、録画映像から上下の「服の色」などを条件に人物を検索して、不審者の行動追跡・捜索を効率化し、捜査協力や防犯にも貢献できる高度なセキュリティ機能も紹介されました。




お客さまからは、カメラによる監視だけでなく「現場で物理的な対応ができる機能が欲しい」というご要望を数多くいただいています。そこで、今回は参考出品として、ugo社の業務DXロボットをご紹介しました。
異常時にはロボットが現場へ急行し、伸縮自在のカメラで広範囲の撮影や高所の点検にも対応、遠隔で状況判断ができるので、「とりあえず現場へ行く」という無駄な移動を削減できます。
「ugo mini」は、小型で、狭い場所やデータセンターなど静粛性が求められる環境の点検に最適です。一方、「ugo Pro」はエレベーター移動やアーム操作が可能。警備に加え、サイネージでの販促案内など多用途に活躍します。
自律走行ロボットは人の代わりとなり、遠隔支援の可能性を大きく広げます。






3. 設備管理:AI×IoT×カメラ映像で、リモートで点検
AI×IoT×カメラ映像を統合し、設備の遠隔点検・監視・自動リポートを実現するプラットフォーム。現場に行かずに状態把握と判断ができる「遠隔臨場」を実現し、点検工数を大幅に削減します。


リアルタイム映像と生成AI、IoTを活用し、遠隔地からの状況把握・支援を可能に!
生成AI×IoT×カメラ映像 遠隔支援ソリューション:Canon × MODE
従来は「アラームが鳴れば、まず現場出動」が当然で、電源抜けのような軽微なトラブルでも現場へ向かう無駄が課題でした。たとえ現場DXとして、IoTセンサーやカメラ映像、ITツールなどが導入されていても、多くはシステムごとに分断(サイロ化)されて連携されておらず、現場出動の判断ができないという課題がありました。
そこで、MODE社の現場特化型 生成AI×IoTプラットフォーム「BizStack」がデータを統合し、遠隔で問題を解決します。核になるのが、生成AIアシスタント 「BizStack Assistant」 で、音声入力によるチャット形式での対話を通じて現場を支援するのです。
今回は、「8掛け社会を動かす“遠隔解決DX” 革新的!AI×IoT×映像」と題して、本当に現場で誰でも簡単に使えるDX活用セミナーが行われ、実際にiPadを使ったデモンストレーションが行われました。
例えば、「排水ポンプに異常が発生した」という通知が来たとします。「BizStack Assistant」に「異常発生時の映像を見せて」と投げかけると、カメラが過去の時刻の映像をすぐに取得します。現場の中央監視室にいなくても、現場の状況をリアルタイムで把握できます。さらに「ポンプのセンサー情報をグラフで見たい」と指示すれば、水温やその他のセンサーデータがグラフ化されて、手元のスマートフォンに表示されます。それらを確認して、もし駆けつけるべきだと判断した場合でも、「BizStack Assistant」に「異常の対処方法を教えて」と尋ねると、過去に蓄積されたQ&Aや手順などのノウハウデータが提示されます。また、マニュアルが格納されたドキュメント管理ツールのURLも教えてもらえるため、必要な事前情報を全て持って現場に駆けつけることができます。将来的には、先ほど、ご紹介した自律走行可能なロボットと連携した現場支援も視野に入れています。
IoTプラットフォーム「BizStack」では、現場で日々膨大に発生するセンサーデータやカメラ映像を統合的に管理・参照することができます。これらのデータを生成AIが横断的に活用することで、現場の状況を最も理解している現業従事者のパートナーとして機能し、判断支援や業務効率化を実現します。
最近増えてきた「複数ビルを一括管理したい」というニーズに対しても、「BizStack」ならゲートウェイを介して、ビルによってメーカーや新旧が異なる設備(レガシーシステム)のデータもクラウドで集約・変換し、本部からの遠隔管理を実現します。またプラント内のアナログ計器の巡回点検ではGPSを活用し、作業場所に応じたマニュアルを自動通知したり、これまでは巡回員が焦げた匂いや異常な音を五感で察知していた電気室のトラブル(例:ネズミによるケーブル破損)などを匂いや音のセンサーを使って自動検知できたりします。さらには、日報や帳票などのリポート作成も支援。IoTデータを使うので、ハルシネーションも心配無用。オフィスビルから、工場、プラントまで幅広い現場の「遠隔臨場」を強力に推進します。








「8掛け社会」の人手不足は、「人の目」、「人の知恵」、「人の手」を補うテクノロジーで解決
企業の競争力や価値を維持・強化する包括的な映像DXソリューションを提供
私たちが向き合う現実は、2040年までに日本の労働供給が大幅に減少する「8掛け社会」です。しかし、この課題の本質は、人手不足そのものではなく、限られた人的資源をいかに最大限に活かすかにあります。人間がテクノロジーを上手く活用して、自分たちが本当に集中すべき創造的で価値のある仕事に専念できる環境を作ることが重要です。
そのために、カメラや複合機・プリンターメーカーとして培った技術的強みや高付加価値なソリューションを核とし、日本企業との共創を通じて、現場の生産性向上と持続的な発展、社会課題の解決に貢献します。
今回の展示では、タイムリープ社、ugo社、MODE社といった各領域の専門企業との共創を通じて実現した、現場DXの新たな形をご披露いたしました。「現場DX統合ソリューション企業」として、映像技術とIoTやAI活用で日本の社会課題解決に挑むキヤノンMJに、今後もご期待ください。



