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「知りたい」が、情熱に変わる。東京で培った技術をたずさえ、故郷・大分の未来に寄り添うCEの眼差し

2026年3月30日

キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部 織田 浩彰

「お客さまの進化を支援すること」をミッションに掲げる、キヤノンシステムアンドサポート(以下、キヤノンS&S)。同社のカスタマーエンジニア(以下、CE)は、「お客さまに最も近い技術者」として、ITを通じた経営課題解決の最前線に立つ存在だ。

そんなCEの一人が、キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部の織田 浩彰。地元・大分と、さらには九州を盛り上げるべく日々奮闘している。自身の研鑽を欠かさず、チームのボトムアップにも注力するその姿勢は、どこから生まれるものなのか。その情熱の源泉に迫る。

勉強はもはや日々の習慣。読書と同じ

キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部 織田 浩彰

キヤノンS&SのCEは、キヤノン製のオフィス機器の保守・メンテナンス・修理やITソリューションの提案などを通じてお客さまのITインフラを支える、いわば縁の下の力持ちだ。その活動領域は広く、取り扱う製品・サービスは多岐にわたり、しかも日進月歩で進化を遂げている。お客さまの要望に迅速かつ的確に応え続けるためにも、日々の業務にまい進するだけでなく、自らの知識・技術をアップデートし続ける必要がある。

そんなCEの在り方を、自らの行動で体現している織田。とにかく学ぶことに意欲的で、例えば、これまで取得したIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)実施の国家資格は5つ。そのほか、社会人ホスピタリティ検定、品質管理検定(QC検定)など多様な資格を有している。多忙な日々の中、その勉強時間をどう捻出しているのだろうか。

「試験前に追い込むのではなく、毎日少しずつ勉強しています。生活の一部のような、読書に近い感覚ですね。会社に推奨されるからではなく、あくまで自分の欲求に従って、自分のペースで挑戦しています。これからも毎年一つは資格を取得したいと思っています」

そう語る織田に気負いはない。190センチを超える長身に漂う、どこかひょうひょうとした佇まい。その奥に秘めた学びへの情熱は、どこから生まれるものなのか。

「新しい知識が増えれば増えるほど、仕事先で役に立てる機会も増えます。その充実感が、『知りたい』という情熱につながっているのだと思います。現場で必要とされるものは多様で、いくらでも学ぶべきことがあります。スキルアップや自己研鑽には終わりがありません」

直近では、合格率17.8%(2025年度)という高難度の「ネットワークスペシャリスト(IPA)」の資格も取得。「難しかったけれど、面白かったです。技術や用語を100%理解した上でお客さまと向き合えているかというと、実はそうでもなかったりしますよね。理解しているようで理解しきれていなかった、頭の片隅でモヤっとしていた疑問が解けるスッキリ感がありました。現場での対応の仕方もおのずと違ってくると思います」と表情を緩める。

池袋で揉まれた12年。自転車を走らせ、お客さまの元へ

キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部 織田 浩彰

そんな織田がCEのキャリアをスタートさせたのは、東京。大学で情報工学を学び、「ITの分野で、人と関わる仕事がしたい」と、キヤノンS&Sに新卒入社しCE職に就いた。配属先は東京・池袋エリア、自転車で無理なく回れる広さだった。

「要は、そのエリアだけで仕事が成立するくらいお客さまが密集していたんです。雨が降ろうと風が吹こうと日々自転車で現場を駆け回っていました」と、織田は振り返る。

お客さまの密集度でも分かる通り、東京のビジネス環境は地方とは異なる。物流が極めて整っているため、お客さま先にある製品が故障しても、修理に必要な部品はほぼ即日手に入る。隣接するエリアなどからの支援も受けやすい。そんな恵まれた環境は、裏を返せば「午前中のトラブルには午前中に対応して当然」という、常にスピードを要求される現場でもあった。

「スピードに加え、専門的な領域において画面(データ)と印刷物の色の差異について筋道を立てた説明を求められるなど、要求されるスキルや技術も高度でした。そのため、必要に応じて事前に検証を行うなど、万全の準備を整えて現場に臨んでいました。また、多国籍なエリアでもあったため、操作画面が外国語になっていることも日常茶飯事。加えて、お客さまの入れ替わりや競合他社の攻勢などもあり、変化への対応も大変でしたね」

そうした変化の激しい環境が、織田の「知りたい」という欲求を加速させ、知識を常にアップデートし続ける姿勢を育んでいった。

念願かなって地元・大分へ。オールラウンダーとして日々研鑽

キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部 織田 浩彰

池袋でキャリアを積んだ織田は、入社から12年後の2019年、故郷・大分へのUターンを果たす。東京勤務を経て九州にUターンすることは、入社時から思い描いていたことだったという。

大分での担当エリアは、日田市を除く大分県全域。業務内容は、オフィス機器はもちろん、プロダクション機、ネットワークカメラといった各種ハードウエアの導入・保守・修理から、AED(自動体外式除細動器)の設置とCPR(心肺蘇生法)講習など、東京時代とは比較にならないほど多岐にわたる。さらに、営業担当者への情報提供や商談の同行に加え、自らITソリューションの提案も行う。

「環境も内容もかなり変わりました。例えば、プロダクション機であれば、東京には専門部隊がいますが、大分には専任がいないため、私たちCEが導入から保守・修理まで全て担います。また、大分ではプロダクション機を用いた研修・研修環境が限られているため、私の場合は、キヤノングループでプリンティング分野における主要部品の生産を担う大分キヤノンマテリアルに設置されているプロダクション機で知識を習得しました。地方の事情に合わせ、これまで以上にオールラウンダーを目指し、日々努力しています」

一方で、東京での経験は全て、いまに生きているとも言う。

「地方では、部品一つ取り寄せるのにも時間がかかります。そうした物流事情をご理解いただいているお客さまが多いので、東京と同じようなスピードを求められることはほぼありません。だからこそ、東京に近いスピードという『期待を超える対応』ができれば、それが大きな信頼につながるんです。不具合の原因・改善策を筋道立てて説明する姿勢も同様です。振り返れば、これらは東京での日々で鍛えられたことですよね」

経営者が本業に集中できる環境を整え、地元企業を盛り立てる

キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部 織田 浩彰

東京で育まれた姿勢が、大分でも受け入れられた背景には、地方特有の事情がある。地方企業の大半を占める中小企業では、IT担当者を置く余裕がなく、経営者自らがIT業務を兼務するか、外部の知人に「気を使いながら発注している」ケースが少なくない。そのため、本来の業務に集中したい経営者にとって、自社のIT環境を気兼ねなく相談できるパートナーは、とても心強い存在だ。ゆえに「いかに親身になれるのか」が、東京以上に、信頼を得るための指標になる。

「全国的な地域課題である人材不足は、もちろん大分も例外ではありません。もし、IT業務を私たちキヤノンS&Sに任せていただければ、兼務せざるを得なかった方々が、本業に集中できるようになります。その結果、事業がさらに発展し、企業としての魅力がより一層高まっていくでしょう。そうした好循環を生み出すことが、人材不足解決や次世代への事業継承につながると信じています」

つまり、ITソリューションの提供に終始するのではなく、地元企業が安定して持続・進化していける環境をつくる。それが織田の望む未来だ。そのために彼は、「まずは、どんな小さな困りごとも気兼ねなく相談いただける信頼関係を築くこと。そして、お客さまが真に必要としたとき、最適なソリューションを共に考える」というスタイルを貫いている。

「まずは、お客さまがお持ちの仕組みを最大限活用して、課題解決を試みます。例えば、『ファクス確認のために、都度事務所に戻っている』のであれば、出先から確認できるように設定するなど。小さなことですが、そのような積み重ねを大事にしています」

さらに、複合機の整備を通して得られる送受信、印刷やスキャンの失敗履歴を糸口に、「なぜこのエラーが多いのか」「この業務フローに無駄はないか」といったお客さま自身も気づいていないような潜在的課題を探り出し、オフィス環境の改善案をご提示することもあるという。こうした、お客さまに徹底して寄り添う姿勢を支えているのが、「知りたい」という情熱だ。

「お客さまが使われている機器やサービスが全て、キヤノン製品であるとは限りません。業界特有のソフトなどもあり、勉強すべきことは多いですね。ただ、困っているお客さまを前にして、『キヤノン製品じゃないから』と背を向けたくない。知らないことがあっても、一緒に調べて解決を模索するようにしています」

お客さまのためにチーム全体の力を上げていく

キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部 織田 浩彰

どんなことでも相談される存在になりたい。織田のこの想いは、共に仕事をするメンバーに向けても同じだ。現場業務とマネジメントの両面を担うプレイングマネジャーを務め、「会社の意図もメンバーの意見も理解し、共感・行動できるリーダーでありたい」と組織全体のボトムアップに尽力している。

「経験や知識を個人のものに留めず組織のナレッジにしてこそ、持続的にお客さまを支えられるはずです。日頃から課全体への共有を徹底し、同時にメンバーの気づきも積極的に吸い上げることで、組織全体のスキルアップにつなげるようにしています。また、トラブル処理の際にメンバーにも同行してもらったり、メンバーの担当先に同行したりするなど、実体験に基づいた知見の共有も大事にしています」

こうした意識や体制づくりの裏には、ひとえに地元へ貢献したいという想いがある。その想いは、大学進学で大分の外へ出たことで、より一層深まったという。

「一度外の世界に出たからこそ、流れる時間の穏やかさや温かな人情といった大分や九州の魅力に、あらためて気づくことができました。同時に、ここには、まだまだ私の知らない魅力や可能性が溢れているのではないのか、とも感じたんです。だからこそ、地元の魅力も地域の企業が抱える課題も、もっと深く『知りたい』。知り、学び、共に課題を乗り越えた先に広がる、お客さまと地域が輝く景色を見たいと思っています」

織田の心に灯る『知りたい』という情熱は、地元・大分でさらに熱さを増した。その一途な想いは、今日も目の前のお客さま、そして地域を支える確かな原動力となっている。

学生時代からの座右の銘は「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」。「人生の禍福は予測不可能であるから、安易に喜んだり悲しんだりするものではない」という本来の意味に留まらず、「良いことも悪いことも全て自分の糧」という自分なりの解釈も添えて大切にしている
キヤノンS&S 九州エンジニアリング推進本部 織田 浩彰

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