下小岩小学校 校舎の思い出プロジェクト 実施事例
2025年4月に、江戸川区立下小岩小学校にて「校舎の思い出プロジェクト」を実施しました。





下小岩小学校の先生方にお話を伺いました
小学校の歴史についてお聞かせください。
令和5年4月、下小岩小学校と下小岩第二小学校が統合し、新たに下小岩小学校として開校してから2年間をこの旧下小岩小学校校舎で過ごしてきました。校舎の歴史を振り返ると、昭和33年の火災で校舎が焼失した際、卒業生である横綱・栃錦関が校庭で災害復興相撲大会を開いてくださるなど、相撲とのご縁の深い学校であったことがわかります。また、小岩駅から徒歩10分という立地を活かした駅との交流をはじめ、近隣には大きな商店街も広がることから、地域の方々に温かく見守っていただいて歩んできた、活気に満ちた学校です。
「校舎の思い出プロジェクト」を行うことになったきっかけについてお聞かせください。
校合の取り壊しが決まり、図工専科として子どもたちに何か思い出を残したいと考えていたところ、他校の先生からこのブロジェクトを紹介していただきました。
「校舎の思い出プロジェクト」のサポートプログラムはいかがでしたか?
担当者の方が実際に校舎にいらしてくださった上で、絵を描く場所や絵の具ステーションの作り方など、具体的なご提案をいただきました。おかげさまで、準備や進行に迷うことなく安心して活動を進めることができました。
特に印象に残っているエピソードなどあれば教えてください。
「みんなと協力して描くのが楽しかった」「大きくのびのび描けた」「絵をたくさん描いたら学校が明るくなった」など、どの子どもたちも楽しそうに取り組んでいました。普段は絵を苦手と感じている子も、いきいきと筆を動かす姿が見られて嬉しかったです。一人で静かに集中する子、友人と協力しながら取り組む子、それぞれが真剣に活動している様子が非常に印象的でした。
学校の壁という本来描いてはいけない場所に、初めて子どもたちが描いていくときはどのような反応でしたか?
子どもたち自身も、校舎に直接絵を描けることの貴重さを理解している様子でした。初めは緊張していた子どもたちも、周囲に次々と絵が増えていくにつれて、次第にのびのびと活動できるようになりました。描き重ねるごとに学校全体が明るく変わっていく様子を、子どもたち自身が楽しみながら受け止めていたのが印象的でした。
子どもたちが撮影した写真や、撮影している様子をご覧になっていかがでしたか?
本校では制作の終了した高学年の児童にカメラ係をお願いしました。児童にはタブレット端末が支給されていますが、デジタルカメラを手にする機会は多くないため、新鮮な体験となったようです。大人では思いつかないような視点で写真を撮る子も多く、 子どもたちが日常の中に美しさを見つける力に驚かされました。
保護者や卒業生、地域住民の皆さんの反応はいかがでしたか?
令和7年4月の「校舎のお別れ会」には、1800名もの地域の方が来場し、校舎にメッセージや絵を描いてくださいました。地城の皆様に支えられ、親しまれてきた学校であることを、改めて深く実感しました。
今後、「校舎の思い出プロジェクト」を多くの小学校にて展開をしていきたいと考えております。
このプロジェクトに今後期待することや、メッセージがございましたらお聞かせください。
本校では、図工の授業時間内に約4時間をかけて制作を行いました。図工専科、時間講師、学年アシスタントによる協力体制により、担任の先生方に大きな負担をかけることなく、年間指導計画にも文障をきたさず、無理のない形で思い出づくりができたことを嬉しく思っております。今後も、こうしたプロジェクトが多くの学校で実施され、子どもたちに自由な表現の場が広がっていくことを願っています。絵の具、刷毛、カメラなど、物資面でのご支援がなければ、ここまで自由で豊かな制作活動は実現できなかったと深く感じています。子どもたちの心に長く残る、かけがえのない体験を、本当にありがとうございました。

プロジェクト作品

大判プリント作品
