Valpasのソリューションが『ホテル旅館』に掲載されました
2025年6月23日
インバウンド急増時代に安心・安全で持続的な宿泊を提供
Valpas(ヴァルパス)のトコジラミ予防プラットフォーム
柴田書店刊「ホテル旅館」2025年6/ 7月号掲載

徐 浩然氏(チュー・ウィンストン氏)

小出 ランス氏(ランス・コイデ氏)


コロナ期に開業し旅行需要が回復する中で京都を中心に関西エリアの13施設、現在いずれもフル稼働しているのが、「Wayfarer(ウェイフェア)㈱(本社・東京 チュー・ウィンストン社長)」だ。
パンデミック期間中に次世代の旅行者に向けたホテルのあり方をDXで再定義するべく、徹底的にオペレーションシステムを磨き上げた。その運営プラットフォームは「Powered by KABIN」と呼ばれ、Wayfarer(エコノミー)、ORI(アパートメント型)、KABIN(ライフスタイル型)の3つのホテルブランドを展開する。年内には東京にも出店予定だ。
また同社はIT企業としての顔も有し、独自のDXテクノロジー「Materia」と「Kabin」を開発し、ダイナミックプライシングの導入やセルフチェックインシステム、オンラインでのサービス・コミュニケーション機能、さらには地域の見どころやイベントを紹介するキュレーション型のレコメンド機能などが統合されており、ホテルの収益最大化と旅行者の体験価値向上の両立を実現するオールインワン・ソリューションを持つ。即ち、同社は、ホテルDXプラットフォームのスタートアップでもある。

いずれの施設も訪日外国人が90〜95%を占めるというユニークなコンセプトを発信して快進撃を続け、「徹底したユーザーインで市場を耕し、旅行者のため、地域のため、そして投資家や全てのステイクホルダーのためにウェイフェアのポテンシャルに挑戦している。」(ウィンストン社長)
そして「Powered by KABIN」の特長の一つは、世界でも最先端なValpas社のトコジラミ予防プラットフォーム(以下Valpas)を採用している点だ。Valpasは、殺虫剤を使わずにトコジラミ被害の心配がない安心・安全で持続的な宿泊を提供するプラットフォームで、特許を有する同テクノロジーは、欧州を中心に40以上の都市の300以上のホテルで採用されている。
キヤノンマーケティングジャパンが出資し日本での事業拡大をサポートするValpas
このValpasを日本でプロモートしているのがキヤノンマーケティングジャパン㈱(以下キヤノンMJ)である。同社は最先端の技術やビジネスアイデアを持つスタートアップとのオープンイノベーションを推進すべく、昨年CVCファンド「キヤノンMJ未来ファンド」を設立し、Valpas社(本社:フィンランド)へ出資した。グループ連結で長年にわたってホテル向けのトータルシステムを提供してきた強みを活かしながら「安心・安全でサステナブルな旅行・観光の実現」をテーマに、Valpasの日本市場導入に向けた支援を行っている。
そして、このValpasを日本で初めて全客室に導入したのが「Wayfarer」グループであり、衛生管理、快適性、そして宿泊客の安心・安全における新たな基準を打ち立てている。
さて、トコジラミ被害は昨年来のインバウンド急増時代に顕著になっている。もっとも宿泊施設側では、本件を公にしにくい側面もあるが、パンデミック以来、衛生管理は宿泊施設の必達目標でもあり、このトコジラミも強い関心事になりつつある。そしてトコジラミ対策は基本、薬剤や熱処理によるものであったが、それによる環境への負荷や駆除・清掃費用等への膨大な費用、それによる客室販売の機会損失やSNS等によるレピュテーションリスク等が課題として浮上している。
一方、宿泊者側も被害を未然に防ぐ手段がなかったらトコジラミセーフなホテルを事前に判断できない。トコジラミ被害による精神的、肉体的ダメージは甚大であり、これらの課題は宿泊者・ホテルの両サイドにのしかかることになる。こうした課題に、新しいグローバルスタンダードで解決するのがValpasである。
具体的なその機能は、Valpasのデバイスでゲストが持ち込んだトコジラミを捕獲・駆除し、トコジラミの被害拡大を防ぐというもの。デバイスは既存のベッドの脚に付け替えるベッドレッグ型と脚のないベッドや布団用に据え置き型があり、いずれも枕側に置くだけでよい。そしてホテル側が管理するモバイル、ウェブアプリで24時間管理することで、トコジラミがいない環境であることをリアルタイムで確認することができる。さらにアプリ内のデジタル安全証明を示すことで客室が安全であることをゲストに伝えることができる。


害虫が捕獲されるとアプリに通知が届き、アプリ上でトコジラミであるかどうか判断し、安全な処理方法をレクチャーする仕組みだ。Wayfarer社小出ランス氏は、「Valpasのテクノロジーによって害虫やトコジラミに関しては何もしなくてもよい。何かがあった時だけ通知が来る。冗長性とか時間的なムダが一切ない。この点が強みだ」とも話す。


さらにトコジラミのいない安心・安全なホテルであることを示す、「Bed Bug Safe」認証ラベルを提供することで、ホテルのウェブサイトやOTA(オンライン旅行代理店)と接続し、Valpasが各部屋に採用されていることを証明し、アピールしていこうとしている。実際、欧州のホテルの実績では、この認証ラベルによって、自社サイトの直接予約の成約率が増大し、ゲストの顧客満足度の向上にも貢献している。
つまり、この認証ラベルを普及させることがValpasの浸透と期を一にすることになるはずだ。


また、宿泊業は監視ビジネスとも言われており、それこそ24時間365日宿泊者とスタッフを守っていかなければならない。「特に衛生面では何が起こるかわからないだけに事前の準備、予防策を可能な限りシミュレーションしておく必要がある。客室掃除も清掃スタッフが入った後は必ず自社のインスペクションスタッフが確認し、初めて客室のクオリティも守れる。Valpasの導入によって、予防的な対策を効率化でき、また万が一の問題も見逃さないという安心感が増した。結果としてゲストに快適な滞在を提供することができている。旅行者も”安全と健康面でのケアがされている”と実感できる、正に安心の証だ。」と小出氏は語る。
この最終的なスタッフによる確認とValpasによる「衛生管理」のデジタル化、可視化を通じて、スタッフのポテンシャルの最大化と施設全体のプレゼンスをより高めていけることだろう。そして、キヤノンMJとValpas社の両社で、宿泊業界の新しい衛生管理と顧客満足の時代をリードしていくことに期待したい。
お問い合わせ
- キヤノンマーケティングジャパン R&B推進本部 BizDevセンター