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介護現場へのICT導入で、職員・利用者に笑顔を

介護・福祉施設の進化を支援します

2025年12月24日

日本国内の高齢化が進み、介護の需要が膨らんでいく一方で、高齢者福祉施設をはじめとする介護の現場は、深刻な人手不足に直面しています。こうした中、全国の高齢者福祉施設では、介護を支える人材の確保といった課題解決に向けて、ICT(情報通信技術)の活用が進められています。介護現場のICT活用と目指す未来について、公益社団法人全国老人福祉施設協議会・大山知子会長と、キヤノンシステムアンドサポート株式会社 業種ソリューション営業推進本部・末岡淳一本部長が語り合いました。

職員の負担軽減につながる介護ICT

公益社団法人全国老人福祉施設協議会 大山知子会長

介護現場では、介護を支える人材の確保とともに、人材をどのように定着させていくかが大きな課題となっています。われわれとしても、職員の負担を軽減し、介護現場の仕事をより魅力的なものにする手段の一つとしてICT化を推進しています。全国を地域で8ブロックに分けてブロックごとに研修を行い、先進的な取り組みをしている施設の様子を知ってもらうなど、段階を踏みながら高齢者福祉施設のICT導入を進めています。
例えば、見守り機器を設置して移動や転倒するおそれを検知したら職員に通知するシステムを取り入れることで、職員の負担軽減や利用者さまの安全確保に対する効果を実感している施設も出てきています。

また、これまで紙に書いて作成していた介護記録は、スマートフォンやタブレットでの入力や音声入力へ移行することで、業務の効率化を実現しています。介護記録の作成は、日々の業務の中でも特に負担の大きいものですが、音声入力を活用することにより、記録業務に要する時間の短縮につながります。専門用語も多いため、外国人の登用においても記録業務の負担軽減は非常に有用です。加えて、事務作業の一部はAI(人工知能)を活用して自動化するなど、経営面でもDXの効果が出ている施設が増えています。

利用者さまとの触れ合いの時間を増やすICT活用

キヤノンシステムアンドサポート株式会社
業種ソリューション営業推進本部 末岡淳一本部長

キヤノンシステムアンドサポートは、複数のメーカーの機器やソフトを取り扱っているマルチベンダーとしての強みを生かしたサポートを行っています。現場で導入されている複数のメーカーの機器やソフトを連携させて、一つの端末で業務を行える仕組みを提供し、介護現場の業務効率化を支援しています。キヤノンシステムアンドサポートが全国に構える拠点を活用し、各都道府県の事情に合わせて現場の課題に寄り添い、最適なICT機器の選定から導入・運用・保守まで一貫して支援できる点が、私たちの強みです。

ICTによる介護施設の変化

利用者ニーズに応えるために欠かせないICT導入

重度化してきた認知症のケアや看取りケアに至るまで、現在現場では非常に質の高い介護が求められています。しかし、慢性的な人手不足で職員に余裕も余力もなくなっており、利用者ニーズにこたえるためにもICTの導入は欠かせないものとなっています。ICTは職員の作業の軽減につながり、さらに精神的な負担を軽減するうえでも有効だと考えています。また、各施設がサポートいただいている企業と良い関係を構築することで、利用者さま、職員、施設、企業と関係される皆さまにプラスに働くような相乗効果が生まれるのではないでしょうか。
高校生がある高齢者福祉施設を見学した際、導入されている最先端のICT機器に目を輝かせている様子を目の当たりにする機会がありました。最先端のICT技術を活用した環境は、若い世代を中心に介護現場の仕事に対する見方を変える可能性があると期待しています。(大山会長)

介護現場が目指す未来

介護の現場でICT活用を進める上で、ケアやコミュニケーションなど人間が行うべき部分と、ICTに任せることができる部分を整理することが大切です。ICTの導入によってできた余力を、いかに利用者の皆さまに還元できるかが大切なのです。しっかりと各々の範囲を明確にし、「人が人を介護する」という本質的な価値を守るためのICT活用だと考えています。
そうすることで、介護職が専門職として人が本来持っている力を発揮し、内面から生まれ出る“品位のある仕事”ができるようになります。介護職がこうした力を発揮できるようになると、利用者さまの尊厳も守られます。この循環により、介護の現場がどんどん魅力的なものになっていくことがICT推進の意義であると考えます。介護職の品位を保ち、介護職が素晴らしいもの、必要不可欠な職業であるという社会につなげていきたいと思っています(大山会長)

ICT企業として笑顔あふれる社会づくりに貢献

職員の方々の負担を軽減し、利用者さまと向き合う時間を取り戻すお手伝いをさせていただくことが、キヤノンシステムアンドサポートが介護現場に関わる意義であると考えています。広い視野を持ち、将来は施設の経営支援や事業承継など介護業界全体の課題解決にも取り組みたいと考えております。キヤノンシステムアンドサポートのソリューションを組み合わせて介護施設の進化を支援させていただくことで、職員の方々と利用者さまに満足していただき、笑顔あふれる社会づくりに貢献していきます。(末岡)

公益社団法人全国老人福祉施設協議会とは?

高齢者福祉と介護事業の健全な発展と国民の福祉の増進への寄与を目的に設立され、研修を通じた介護人材の育成をはじめ高齢者福祉施設の経営支援から政策提言まで幅広い活動を行っています。特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム・ケアハウス、デイサービスセンターなど全国の1万を超える高齢者福祉施設が会員として加入しています。

未来へ繋ぐ想い「介護福祉現場のDX推進」のご紹介

人は誰でも歳を重ね、いつかは誰かの支援が必要になる。急速な高齢化が進む日本において、介護サービスの需要が拡大一方で、人手不足や現場の負担は増加しています。介護福祉現場のICT化により、ケアの質の向上と職員の負担軽減を推進させ、「最後の一瞬まで自分らしく生きられる社会」を実現したいという想いを動画で紹介します。

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